減価償却資産の減価償却方法は、主に定額法と定率法があります。定額法、定率法の償却限度額の計算方法は下記の通りとなります。
・定額法 償却限度額=取得価額×定額法の償却率
・定率法 償却限度額=(取得価額-既償却額)×定率法の償却額
定額法は耐用年数にわたり一定の金額を償却していく方法です。定率法は1年目の償却額が最も多く、2年目以降その額が小さくなっていく方法です。平成19年4月1日以降に取得した資産では、定率法の償却率が定額法の償却額の2.5倍となっており、特に償却開始当初の償却額は大きくなります。
定額法と定率法の償却額を比較してみると下記表の通りとなります。
例 取得価額100万円 耐用年数10年
| 年数 |
定率法 |
定額法 |
差額 |
| 1 |
250,000円 |
100,000円 |
150,000円 |
| 2 |
187,500円 |
100,000円 |
87,500円 |
| 3 |
140,635円 |
100,000円 |
40,635円 |
| 4 |
105,468円 |
100,000円 |
5,468円 |
| 5 |
79,101円 |
100,000円 |
△20,899円 |
| 6 |
59,326円 |
100,000円 |
△40,674円 |
| 7 |
44,495円 |
100,000円 |
△55,505円 |
| 8 |
44,583円 |
100,000円 |
△55,417円 |
| 9 |
44,583円 |
100,000円 |
△55,417円 |
| 10 |
44,308円 |
99,999円 |
△55,691円 |
上記の例のように、償却開始当初は定率法の方が償却限度額が大きく節税効果があります。償却年数全体を通じては、定率法も定額法も償却額は同じになりますが、定率法を採用することにより償却開始当初は特に節税効果があるため、資金繰り等を考えるとメリットがあります。